連邦のXラウンダー研究と軍事利用について

 ヴェイガンに対して連邦のXラウンダー研究や
 軍事利用は遅れている。これは元々軍隊の再興
 に着手した時間差が影響しているし、その後
 の内政工作によって妨害を受けていた事も影響
 しているのだろう。当初の連邦軍は戦闘用MSも
 戦艦もない、ゼロからのスタートだった。
 敵が存在する中、防衛戦力の無い空白期間を出来る
 だけ作りたくないはずなので、連邦の国防予算の
 大半は戦艦の建造やMSの量産に割り当てられ、
 研究関連など直接の戦力増強に関係しない分野は
 後回しにされたのだろう。この時、地球連邦に
 必要だったのは張りぼてでもカカシでも、とりあえず
 数を揃えることだった。

 その後はアンバット戦における無人攻撃端末を操る
 ファルシアの出現によって、連邦側でも対Xラウンダー
 戦術や対応兵器の必要性は認識される事になる。
 しかし後のクーデターで明らかになることだが、政府
 上層部にはヴェイガンの政治工作が行われており、それは
 防衛関連にも及んでいた。アセム編を見ると、MSの更新
 が成されないなど軍の近代化が立ち遅れており、技術停滞
 に陥っていた。

 連邦のXラウンダー研究は、フリット編の頃に始まっていた
 事がグルーデックの発言から伺える。また能力者の名称が
 両陣ともに「Xラウンダー」と共通していることから、彼ら
 が枝分かれする前の時代、コロニー国家戦争当時には既に
 存在していたと見られる。

 AG101年以降に復活した連邦軍で、Xラウンダー研究が飛躍的に
 進歩したのはアセム編頃と考えられる。この頃フリットが敵の
 ミューセルを捕獲することに成功し、これをリバースエンジ
 ニアリングすることで、基礎技術などを習得する。しかしこれ
 を積極的に兵器へ利用することは無かった。ミューセルの副作用
 を懸念したフリットが封印したためだ。

 しかしフリット総司令が退役後、後任のアルグレアスが就任すると
 事態は一変する。戦争に勝つための犠牲をどの程度許容するか、
 生命への倫理観の違いから彼は副作用の伴うミューセルを問題視
 せず、有効であるなら積極利用すべしと考えた。
 彼は封印指定を解き、研究機関へ連邦製ミューセルの開発、軍事兵器
 への利用を命令した。

 研究機関が試作していた能力増幅装置は、ムラのあるXラウンダー能力
 を底上げした上で平均化し、部隊レベルでの運用を円滑化する狙いなの
 かもしれない。マジシャンズ8を見ると部隊運用するためにはある
 一定のレベルが必要で、それに満たない人材を有効活用できないようだ。
 当然連邦側でも同様の問題は発生するだろうし、これはそれへの対応策
 なのだろう。

 ティエルヴァの無人攻撃端末にはドリルブレードが装備されているが、
 これはヴェイガンの電磁シールドに対応した装備と考えられる。

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