アルグレアス提督はなぜ更迭されないのか

 総司令部の参謀として初登場したアルグレアスは、
 キオ編で地球連邦軍総司令の地位に上り詰めている。
 地球連邦内部のヴェイガン派を一掃するきっかけと
 なったクーデターにも参加し、フリットが退役した
 あとは彼の役目を引き継いだと見られる。
 しかしAG164年のヴェイガンによる大規模攻勢を
 防ぐには至らず、開戦から七日で地上の四割を
 占領され、さらに地上における反抗作戦を遂行中
 に、手薄となった宇宙でルナベースを奪われる
 という大失態を演じた。

 ヴェイガンの地球潜伏を見逃したばかりか、ルナ
 ベース司令の裏切りまで防げなかった彼の責任は
 非常に重いだろう。すぐに更迭されてもおかしくは
 ないが、なぜか劇中で言及されない。

 潜入工作員や内通者の存在はアセム編で暴露された。
 提督は当然この件を把握しているわけで、再発防止策
 を講じているのが順当だろう。だが、なぜか防げな
 かった。地球連邦は大被害を受け、多くの人命が
 失われたが彼は自責の念の類を見せない。

 アルグレアスは士官学校を主席で卒業するほど優秀だが、
 ビッグリング戦ではゲーム感覚のように戦争を見ている
 描写があり、人の生命に関しては無頓着とも受け取れる
 人物像が描かれている。勝つ為なら犠牲は仕方ないと
 言う考えなのだろうか。

 そしてルナベース奪還作戦では総司令部を離れ、艦隊
 旗艦より直接指揮を執るべく最前線にまで繰り出している。
 戦場は一箇所だけではないし、総司令官としての役目も
 あるはずだ。なぜ彼が月まで来たのか、そしてフリット
 が語るところによれば条約で禁止された兵器を持ち出
 しているなど気になる点は多い

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 ルナベース奪還作戦について
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 第43話 過去の栄光と今
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