ドレイムスの苦悩とオリバーノーツ全滅の可能性

 本編ではフリットの要請に渋々従いディーヴァを手配したアクト3
 基地司令ドレイムスだが、彼はクルーの人選で故意に問題児を選んだ。
 嫌がらせのように見えるがどうして彼はこのような行動に出たのだろうか?
 今回は劇中では一切触れられなかったオリバーノーツ全滅の可能性について
 書いてみる。

 本編29話から30話にかけて展開したAGE3初陣だがこの裏では連邦正規軍による
 必死の抵抗が続いていた。しかしヴェイガンの用意周到な奇襲作戦によって
 終始劣勢に回っており戦線の維持は不可能、全滅は時間の問題であった。

 オリバーノーツ沿岸部から侵攻したヴェイガンは連邦軍の抵抗を排除しつつ
 次第に内陸部へ進出し、アクト3基地にまで攻撃が及んでいた。
 この危機を救ったのはAGE3の功績だが、あくまで戦艦一隻を沈めた結果に過ぎず。
 敵部隊の大半は健在であった。また衛星軌道を押さえられ、世界同時攻撃による
 混乱で友軍の増援も望めない状況では敵による第二次攻撃の可能性を排除できず。
 これを防ぐだけの戦力も乏しい現実から依然としてオリバーノーツ一帯の安全
 確保は非常に危ういものだった。

 現地駐留軍にしてみれば戦況は一切好転しておらず。全滅へのカウントダウンが
 先延ばしになっただけなのだ。敵の第一波後に帰還した部隊から再出撃可能な
 MSがどれだけ出せたかは不明だが、確実に戦力を消耗しているのは間違いない。
 そしてそれを補うあてもない
 (人員不足から機体稼働率は著しく低下する可能性が高い)

 そんな中でフリットはディーヴァを出せと要請してきたのだ。あくまで動態保存
 なので常時正規クルーが居る訳ではない。人手不足の中、貴重な人員を割いて
 老朽艦へ回すのはかなり厳しい問題だ。さらに護衛としてクランシェ一個小隊
 (アビス隊)を付けるサービスまでするはめになっている。

 このクランシェにしてもアクト3にとっては貴重な航空戦力であり、他に
 旧型アデル程度しか配備されてない現地軍にはかなりの貴重品だ。戦力に一切
 余裕が無い状態で一個小隊分をまるまる引き抜かれたのは大きな痛手だろう。
 (見方を変えれば味方同士でMSの奪い合いをしている事になる)

 ゼハート隊の撤退後、ディーヴァ組みはそのままロストロウランへ出発する事に
 なった。残されたアクト3にとっては悪夢以外の何物でもなかっただろう。
 孤立無援状態の中、戦艦一隻(クルー付き)とクランシェ一個小隊、さらに敵に
 対して強力な抑止力を発揮するだろうガンダムまでが抜けてしまったのだ。
 これを穴埋めする事は不可能だ。後に大規模反抗作戦が実施されたが、それまで
 アクト3が持ちこたえたかは不明。

 ※ドレイムス司令の発言からアクト3に配備されたMS隊は合計3小隊分。
  部隊名は「ブランクス」「ダイナ」「アビス」全ての小隊が5機編成
  なら出動した戦力は約15機程度となる。なお滑走路にはMS格納庫らしき
  ものが多数見えるが、配置間隔から推測すると約36機分。
 ※ヴェイガン側(ゼハート隊)の戦力
  戦艦x1
  ダナジンx約42機
  ギラーガx1
  高架橋のレガンナーx1
  その他(ドラドx2など)
  戦艦から出撃したダナジンx約5機(補給整備で再出撃の可能性あり)
  なお撤退時にダナジン9機が映る。
 ※隣町に非難したロマリー達が無事だった事からしばらくの間は戦線を
  維持できた模様。その後は不明。
 ※都合よく通信回線網は生きていたが、ファントム3の例を見るに各部隊
  の連携は妨害されている。
 ※基地は通常体制だったため非番の者もおり、人員不足に陥っていた。
  当然市街地は無差別攻撃にあっているので非番の隊員が無事かどうか
  も疑わしく軍の行動に支障が出ていた可能性が高い。劇中では整備士
  が滑走路の真ん中で誘導灯を持っていたり、だいぶ混乱している。

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