雑記2

・AGE世界の軍用通信について
 フリット編「第10話激戦の日」ではビッグリングがディーヴァからの増援要請
 に対して回答を送っているが、その電文は暗号化されず平文で送信されたかの
 ような描写がある。キオ編「第31話戦慄 砂漠の亡霊」ではファントム3に関す
 る情報メッセージも受信すればすぐ読める状態であった。ただし「第33話大地
 に吠える」ではロストロウラン司令部から送られた作戦命令は暗号化されてお
 り、オペレーターのウォンが複号作業に取り掛かっている。情報の機密レベル
 に応じて暗号強度を使い分けているのだろうか

 ただフリット編の頃の連邦軍は軍隊としての規律があまりしっかりしていない
 様子で、部外者を平然と軍艦に乗り込ませ、艦内を好き勝手に歩き回らせてい
 る。さらにMSまで盗まれても犯人を捕まえないなど異常極まりない状態だった。
 これらからも判る通り、連邦軍はセキュリティに対する関心は非常に低かった
 ようだ。なのでビッグリングの送った電文にしても平文で発信した可能性が高
 い。このような機密への関心の低さは全編に渡って描写されており、アセム
 ではAGE2のデータがマッドーナ工房に流出し、キオ編でも敵の哨戒網を避けて
 航行する戦艦から兵士が家族向けのメールを送っていた。

 ※映像付きの通信に関してはレーザー通信によって傍受の可能性を減らし、暗
  号化強度を落とすなどしてリアルタイム会話を可能にしているのかも。
 ※ビシディアンはヴェイガンの無線通信をあっさり傍受していた。

・増援要請を拒否したビッグリング
 UEがファーデーンを攻撃した時、アダムスは総司令部に増援要請を出していた。
 しかしこれは適当な理由で拒否され、自分達だけで戦えという返答を送っている。
 第10話で垣間見えたビッグリングの意思だが、このメッセージの恐ろしいところ
 は現有戦力では対処が厳しいと判断し、わざわざ連邦軍の出動を要請したにも
 関わらず間に合わないから拒否して後は何もしないと宣言したところだ。普通
 はとにかく艦隊を急派しそうなものだが、いかに上層部が戦う事を嫌っている
 かが読み取れる。この辺りはビッグリング直属だったディアン・フォンロイド
 大佐も同様で、現場と上層部の考えに違いがある。アダムスはこの一件から
 連邦軍上層部が戦う意思を持たないと知り、自らの職務を果たせるグルーデック
 の行動に参加したのだろう。

・なぜか無い民間防衛組織
 戦争があり、それが恒常的に続くとなれば民間レベルでも防衛意識が高まり自
 警団などが組織されたりするものだが、AGE世界の連邦ではそのようなものが
 ほとんど確認できない。外伝漫画ではミンスリーに私兵部隊を組織する者が
 いたが、ここは中立コロニーという特殊な事情もあるので例外だ。一方アニメ
 本編では皆無であり、それに近いのはフリットの自宅に居た召使二名くらいだ。
 民生用MSが広く普及した世界であり、旧国家派閥が武装MSを用意しているよう
 な状態であるから、自衛に関するハードルは比較的低いはずだ。それなのに市
 民の自衛行動が見られないのはかなり不自然な話であり、連邦政府(軍)によっ
 て厳しく制限されているのかもしれない。

 とくにビシディアンのような存在やクーデター以降は反政府運動に対する警戒
 から民間での武装を取り締まる事は十分予測される。