マッドーナ工房がビシディアンに協力した理由?

 「追憶のシド」でこの二大組織が裏で繋がっていた事は明らかに
 なったが、反政府組織に直接戦闘用MSの供与(販売?)を行う理由は
 明らかになっていない。いくら金を積まれようと世は粛清委員会が支配
 した時代でもある。さすがにそこまで危ない橋を渡るほどの理由が
 マッドーナ側にあったのだろうか。連邦政府からの正式な受注はある
 し、ティエルヴァのような専用MSの開発も行っている。そこまで
 手形の支払いに切迫した立場でもない。
 (漫画ではマッドーナ本人は登場せず、存命かどうかは不明)

 そこでこの疑問を解き明かす上で、非常に興味深い一文を見つけた。
 ガンプラのHGジェノアスIIの説明書には世界観やMSの簡単な解説文が
 ついている。そこには

 「AGE-1のドッズライフルを参考に、始めて連邦軍
  量産に成功したMS用ビーム兵器ドッズガン」

 とある。これを見てはてな?と思った。フリット編を見れば火を見る
 より明らかだが、明言こそされていないがアンバット攻略戦で本格的
 に実戦投入したドッズガンは、どう考えてもマッドーナ工房で設計、
 開発、量産したものだろう。それがこの解説では連邦の輝かしい手柄
 になっている。
 (当時の情勢下で、短期間であれだけの装備を連邦軍が用意する術も
  判断も下せない)

 本編ではアンバット攻略戦の真相は闇に葬られた。という事はこれって
 一連の事件で反乱兵に武器を供与した件で、連邦政府はマッドーナ工房に
 対して罪は問わないけど。その代わり今回開発されたドッズガンの
 設計資料、製造設備、関連特許などの一切合財を無償譲渡するという
 司法取引か裏取引(という名の圧力)があった事を示唆しているのかも
 しれない。その方が比較的楽に筋が通る。

 蝙蝠退治戦役で垣間見た連邦政府の裏の顔にマッドーナは怒りを覚え。
 アングラッゾのビシディアン創設に力を貸した。そんな流れだった
 のだろうか…。

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