レーダーに捕捉されるMSが撃墜されない理由を探る

 だいぶ前に下の関連記事で書いた内容を元に、より
 一歩踏み込んで考えてみる。

 劇中描写を見ると戦闘中でもレーダーは問題なく
 作動して周辺の物体を綺麗に捕捉している。ディーヴァ
 のシステムには「ECCM」表記があるので電子戦は
 一応存在するようだ。他にもビシディアンが一度だけ
 チャフ入りの擬装隕石を使った事から電波錯乱用の
 装備が存在する事も明らかになった。

 対電子戦装備がある一方で、戦闘中は妨害を受ける
 ことなく綺麗に目標を捕捉できる。明らかに大火力、
 広大なレーダーレンジを有する戦艦はMSに対して
 非常に優位な立場にあるはずだ。だが、この様な環境で
 ありながらMSは敵の迎撃網を潜り抜けているし、対
 MS戦でも同じように敵機の攻撃を回避している。
 コンピュータ制御による火器管制装置が搭載されている
 はずなのに、ここまで命中率が悪い理由とは一体どの
 ようなものなのだろうか?

 本編に沿う形で一つ考え付いたのは、MSの装甲表面
 にはアクティブ・ステルスのような機能が付加されて
 いるというものだ。レーダー対策によるステルス化は
 レーダー波の吸収や反射方向の制御などによって低探
 知性を目指すがこれには限度がある。他にも熱源の
 問題は避けられないし、透明になれない限りは光学カ
 メラで捕捉される。敵側の対ステルス対策、複数手段
 による探索などで発見される可能性が高まる。

 そこで捕捉された後の対抗手段として敵が放つレーダー波
 を不正確に送り返す技術が開発された。これは敵のモニター
 上で像がぼやける様に仕掛けるものでコンピュータが目標
 の正確な位置情報を掴めない様にするための妨害装置となる。
 光学カメラによる捕捉、測量も人間には知覚出来ない波長
 で光波妨害を行う。
 ※自機の発する熱源、照準レーザーなども同様
 ※ぼやけて分かりにくいけど、だいたいA地点にいるな
  という程度。存在が掴まれても詳細までは掴ませない。
  そんな感じの欺瞞手段。諸元データが不正確な以上、
  どうやっても命中率は上げにくい。

 これらは時間さえあれば最終的に正確な位置座標、安全な
 映像を抽出できるが、戦闘中においてはそのような猶予は無く、
 火器管制装置による自動追尾はさほど期待できない状態にな
 った。このため第二次世界大戦時代のレシプロ戦闘機による
 空中戦さながらにMS戦はパイロット個人の技量に大きく
 依存する事となった。

 MSのカメラはCG補正、光学ジャミングのノイズ除去に
 よって発生するロス時間を極力無くすため、撮り込んだ映像
 をほぼそのままメインモニターに投影する。これが結果的
 に原始的な目潰し攻撃、照明弾が通用する結果になっている。
 ※人間の知覚できる周波帯に絞り込んでいる。

【関連記事】
 AGE世界でMS戦が成立するのは何故?
 http://d.hatena.ne.jp/UN64_RGB/20120419/1334842319

 20話[赤いモビルスーツ]でちらっと見えたディーヴァ
 の管制システム
 http://d.hatena.ne.jp/UN64_RGB/20120302/1330688413