アニメと外伝の矛盾から探るループ世界の可能性

 第45話でアセムが行方不明になった最後の任務が
 登場した。これは外伝漫画追憶のシドで描かれた
 エピソードなので漫画のあのシーンが映像化される
 のかと思いきや、その内容は予想外のものであった。
 外伝漫画を読んでいた視聴者にとって、アニメは
 全くの別物であった。

 漂流船調査に向かい、そこでシドに襲われる所までは
 同じだ。漫画ではシドを追跡していたビシディアンの
 ウィービックと遭遇。連邦と海賊に対して無差別攻撃
 を繰り広げるシドに対しアセムと彼は共闘する。
 死闘の果てに唯一生還したアセムは、ビシディアンに
 救助される。そこでウィービックの事を忘れない。と
 言っているのだが…。

 さてアニメではウィービックが完全に存在しない事と
 して話しが進んでいた。しかもAGE2の回収エピソード
 まで漫画と違う展開であり。かなりの食い違いが発生
 している。この二つをどう見るべきなのだろう?
 コミックスの帯には「アニメ公式外伝漫画」とか「歴史
 の空白を埋める巨大MSとの邂逅」とか書いてあるのだが。

 この両者を成立させるとすれば、これはパラレルワールド
 か、もしくはループ世界の出来事として見る道しか残され
 ていないような気もする。

 そこでもし、AGE世界がループしてるとするならば、Xラウ
 ンダーの先読み能力にある程度の説明はつく。何度も繰り
 返す時間軸上で必ず起きる事象や過去の出来事を彼らが
 デジャヴのように読み取って行動しているのなら、それ
 は先読みと言えるだろう。この場合、一見万能に見える
 先読みにも弱点が生まれる。あくまで過去の出来事を読み
 取るだけなので、過去に発生しなかった。あるいは体験
 しなかった始めての事態には滅法弱い事になる。読み取
 れる事実が存在しないからだ。普段これに依存した人物は
 とくにこの反動をもろに受ける事になる。

 こう見るとノートラム防衛戦でアセムの行動を読みきれ
 なかったデシル。初めてAGE2と交戦したゼハートがハイパー
 ドッズライフルに対して防御を止めて、緊急回避をした
 行動が別の見方も出来る。前者は過去の時間軸でアセム
 倒されていた。後者もゼハートはハイパードッズライフルを
 受け止めようとして撃ち抜かれたという事になる。

 なお外伝漫画ではEXA-DBを、平和な世界で人類の宝となる物。
 宇宙を支配できる物だと管理者達が語っている。この意味が
 時間制御技術ならそれも十分納得できる。EXA-DBが正しい
 プロセスで開封されないと、セキュリティによって時間の
 巻き戻しが始まり永遠と世界はループする。戦争を繰り返す
 人類への矯正装置とも言える。

 この場合、EXA-DBは自らに課せられた目的を達成するために
 ひたすら人類を監視し続け。あるラインを超えると強制的に
 時間軸を巻き戻すのかもしれない。ゲームがクリアできる
 までひたすらコンテニューを繰り返し、再チャレンジする
 かのように。

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