追憶のシド(四話まで)を振り返る
【アセム編とキオ編の間を繋ぐ】
作品の舞台はAG151。戦争は続き、地球圏は混迷の一途を辿っていた模様。
連邦軍のタカ派フリット司令によるクーデターにより内通者(という認定)
は一掃された。クーデター軍による連邦政府や民間人に対する弾圧行動
から政府機能の麻痺は確実であり、この空白を埋めるべく軍政による統治が
始まった。オルフェノアは首相という立場から選挙で選出されたと考えられる。
当然これは議会や選挙で第一党、政権与党の所属でないとここまで上り詰
める事は不可能だ。彼の所属した政党や後援者、有力な協力者、選挙パー
ティに参加した人々も丸ごと粛正委員会送りになっただろう。
連邦政府内部の腐敗、ヴェイガンとの内通、そして軍政による粛清の嵐に
危機感を抱いた連邦構成国(と地域)の一部は分離、独立や独自の安全保障
を模索し出したのだろうか。それが現在サンデーSで連載中の「追憶のシド」
なのかもしれない。
【独自行動に出る人々】
軍政の結果、連邦軍を止める事が出来る者は存在せず。ヴェイガンに対抗できる
唯一無二の武装組織であることから増長する一方、終わりの見えない戦争に現場の
兵士は疲弊し、腐敗していた。
※末端の兵士は民間船舶に通行料の要求を行う
など軍隊としての規律は崩壊している。
連邦軍特殊部隊出身のアングラッゾは連邦軍の腐敗に気付き、これを正すため
宇宙海賊ビシディアンを組織する。この海賊の戦力はアマデウス級?一隻に
Gサイフォス(Gバウンサー系)、シャルドール系のカスタム機を用意できる
など非常に大規模だ。これだけの規模になれたのも協力者に旧国家派閥エウバ
のリーダーラクトがいるためと思われる。
※母艦の名前は後に「バロノーク」と判明
アングラッゾとラクトは協力関係にあり、ある物を捜索していた。
ヴェイガンも探すそれは旧世紀の軍事技術、戦術データなどが収められた
「EXA-DB」と呼ばれる巨大データベースだった。銀の杯条約から逃れたこの
情報群を得れば世界を制する事ができると考えていたのだ。
【アセムのその後】
外伝主人公ウィービックはお宝(EXA-DB)確保のため暗礁宙域へ向かうが、
ガーディアンとして稼働し続ける巨大な無人MSシドが行く手を阻む。
このMSは自己進化、自己修復機能を持ち、その機能によって自らを変異
させ続けた結果なのか、長い歳月を過ごすうちに暴走を始めていた。
無差別攻撃を繰り返すシドに対し、EXA-DBの管理人としてコールドスリープ
していた科学者レウナ、消息を絶った友軍の調査に出動していたアセムの協力
を得てシド撃破に挑む。
この戦いでウィービックは消息不明に、アセムはAGE2が大破した上に
漂流する結果となる。アセム隊の音信途絶から捜索隊が派遣されるも彼らの
発見は叶わず、MIA認定を受けたのがここまでの流れ。
そしてEXA-DBを秘匿した小惑星は忽然と姿を消したとのこと。
果たして宇宙漂流することになったアセムはどこへ消えたのだろうか?
また彼はこの任務が最後と言っていたが、除隊するのか?という疑問もある。
家業を継ぐから特別除隊なのか疑問は尽きない。
【追記:義父と対立するウィービック】
お宝の正体を知ったこと、科学者が平和利用を望んだ事からウィービックは
EXA-DBの破壊を決意。対連邦軍の切り札と考える首領アングラッゾと考えの
違いから対立する事となる。そして首領自身も彼の考えを理解するものの
自らの体が病に蝕まれ、寿命が潰えようとする現実に焦っていた。
【AGEデバイスの行方】
外伝のAGE2はフラット化されておらず、AGEシステムは搭載されたままだ。
その状態で行方不明となった。
【外伝で登場した技術とか他】
Gサイフォス(Gバウンサーのカスタム機)の動力炉はプラズマ融合炉。
EXA-DBの収められたサーバールームの景観はダウネス級のエネルギー
コアルームに似ている。
旧世紀の科学者レウナの服装は少しヴェイガンに似ているような気もする?
彼女が使用したコールドスリープ装置の外観はヴェイガンが使用するものと
同型に見える。
無人MSシドはAGEシステムと同じようなシステムを組み込んでおり、
自己進化・自己修復機能を有している。ステルスフィールドを展開せずに
レーダーを無力化しており、ビーム砲の熱源か目視でしか発見できない。
シドは自身を模した無数の子機を従えている。この子機の体当たりは
アデルを真っ二つに出来る切れ味を持ち、そのスピードはアセムの操縦
するAGE2(MS状態)に追いつけるほど。
旧世紀の技術はコンピュータに人格のコピーを作り出せるほどだった
模様。しかもテレパシーらしきものでレウナに直接会話をする事も
可能。
宇宙海賊ビシディアンは指名手配されており賞金額は
$1,000,000,000-(通貨単位がダラー)
EXA-DBの説明で描かれた兵器群に米軍のステルス攻撃機F-117(ナイトホーク)
や艦上戦闘機F-14(トムキャット)とアイオワ級戦艦らしきものがある。
さらに国家派閥ザラムのMSに酷似した機体も見える。
このデータの大本は国家派閥ザラム系のモノが多く、ザラムのルーツは
アメリカ合衆国、NATO軍、西側諸国という意味なのだろうか?
セリフでは「過去の国家戦争で使用されたあらゆる兵器の設計図」
「戦艦・要塞・戦闘における戦術が集約された巨大データバンク」と
明言されているので特に意味は無いかもしれない。
ウィービックはラーガンとの対決時に「権力があれば何をしても
許されるのか!連邦の犬め!!」とまで言い切っている。末端兵士が
民間船舶から金を巻き上げる辺り相当駄目な状態に落ち込んでいる模様。
【救世主ガンダムの知名度】
マッドーナは知っていたが、旧世紀の科学者レウナはその名前を知ら
なかった。これは何か意味があるのだろうか。
【ついで:この漫画の感想】
荒削りではあるがアニメと違ってしっかり話が出来ており、月刊連載
なのもあるだろうけどテンポよくストーリーが進むので楽しめる。
特に旧世紀の遺物である無人MSシドによって遭遇した連中(海賊・連邦軍)
がことごとく殺されているのはアニメと違うので驚きだ。
(その結果ウィービックとアセムの共闘に至るわけだ)
この漫画ではラーガンが「マスターズステップ」なるマニューバを駆使
したり、アセムが「ミラージュインパクト」という必殺技?を披露する
など、限られたページ数でキャラやMS達、チームに個性を持たせようと
する工夫があるので良い。
アニメでAGE2(特務仕様)のミラージュインパクトを見れる日は来るの
だろうか…?無理だろうな。
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