第26話「地球 それはエデン」に見え隠れする策謀

【ノートラム占拠は正しいのか】
 マジシャンズ8のドール・フロストが
 中止を具申していたがこれは正しい
 だろう。連邦軍の重要工廠を抑え、ここ
 を戦力強化に利用できるのは一石二鳥に
 も見えるがこれには重大な欠点がある。

 一つはビッグリング攻略作戦の失敗から
 正攻法が通用しない事が露呈した。
 しかも監視網が構築されつつあり
 ステルス艦の優位性は徐々に失いつつ
 ある。例え攻略に成功しても正面から
 攻める限り大損害を被るのは目に見えて
 いる。

 二つ目は攻略が成功した場合の維持。

 今までは攻めるだけだったヴェイガンが
 アセム編で初めて守りに入る事になる。
 これまではステルス艦で自由自在に
 地球圏を動きまわり攻撃の主導権を
 握っていたが、ノートラムを戦略拠点
 として確保すればどうしても防衛戦力
 を割く必要が出る。

 連邦軍からすれば確実にそこにいると
 分かるのだ。しかもビッグリング攻略
 作戦で総戦力がどの程度かバレてしま
 っている。守備隊の規模次第で自由
 行動できる戦力まで予測されてしまう
 ので何かと不利だ。

 軍事工廠で戦力を強化できるとしても
 元は連邦軍の代物だ。ヴェイガン側に
 適用するには時間が掛るし、無傷で
 生産設備が確保できる保証は無い。

 連邦軍はノートラムが陥落すると
 分かれば生産設備が利用されないよう
 破壊するだろう。

 ノートラム攻略に関する彼らのやり取りは
 イゼルカントを妄信するか否かとも
 言える。何を言われても信じて実行する
 辺りゼハートは彼の手足となって働くように
 仕込まれているし、だからこそ彼がヴェイガン
 の指揮官に任命されたとも考えられる。

 彼は他の連中みたいに疑問を抱かないし、立て
 続けに母艦一隻撃沈、MS多数の損失という
 紛れも無い大損害を被っているのに未だに
 「大いなる計画」とか「完璧な作戦」など
 大げさな台詞に酔っているので実に扱いやすい
 手駒だ。
 (ヴェイガン側唯一?の十代で、人生経験が短い)

 アセム編ではギーラゾイのように死を
 恐れない兵士(指揮官クラス)はゼハート
 くらいのものだ。メデルは年老いた
 妻の死を看取りたいという生への渇望
 がある

フォトンリングレイの情報が漏れていた事】
 連邦軍にスパイがいるか、協力者の
 存在が見え隠れする。一方で対ステルス艦
 用の警戒網に関しては全くヴェイガンは
 無関心だ。

 25話では無線封鎖を示唆する会話は
 あったが、実際にはその努力空しく
 警戒網に引っ掛かってバレバレであった。

 情報を流す人物は何を流すか選別している
 ようだ。

【デシルは生きているのか】
 とくにアセム編からヴェイガン側の
 機体が爆発する際、コクピット描写が何度も
 行われている。ヘルメットのバイザーに
 ヒビが入り、割れる音が聴こえる。この
 流れは度々あったもののデシルの時には
 見落としたのか無かった。

 他にもコクピット内の描写がアップでは
 無かった。ただ爆風が流れ込むだけに
 留まったようにも見える。少し前には
 クロノスの改造を目論んでいたし、それ
 で即死は免れているかも

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 アセム編でイゼルカントは何をしていたのか
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