第１０話 激戦の日にラーガンは何をしていたのか？
【防衛戦に向けて】
ファーデーン防衛戦の作戦内容はウルフが述べた通り
ビーム撹乱幕でUE母艦の長距離射撃を封じ、このビームバリアの
内側に突入した敵機を共闘軍が引きつけ、ガンダムとGエグゼスの
唯一有効な火器で撃退する内容。
母艦は何度かの侵攻で艦載数を相当減らしているようで、この
時点でわずか３０機。母艦直掩機を除けば、それ以下の数しか
攻撃隊に抽出出来ない。
一方ディーヴァは共闘軍の支援を得る事が出来たため、質は別と
してと頭数はそれなりに用意出来る。問題は火器のみとなる。
ドッズライフルを参考にマッドーナ工房で試作されたと思われる
新型ライフルが間に合ったため、アタッカーはガンダムと
Gエグゼスの二機となる。
これで共闘軍が敵機を撹乱する囮役を、ディーヴァMS隊が攻撃を
担う作戦が可能となる。アタッカーが二名となれば、撃破ノルマは
半分の１５機となる。実際は向こう側の事情もあり、３０機全てが
ディフェンスエリアに侵入する訳では無いので、共闘軍の支援が
万全であれば同時に相手をする敵機は少なく済み、比較的成功が
望めるプランと思われる。
３０機のうち、１０機も潰せば戦力の激減は明確。これまでの戦闘で
バクトやガフランを多数損失している。UEがよほど何も考えていないか
補給面でリッチで無い限り撤退行動に追い込む事が望める。
【ラーガン中尉の役目】
彼の役目はこのアタッカー機を護衛する役目と思われる。
ラーガン自身の腕前があれば、彼がアタッカーをすればいいと思うが、
では誰が彼とウルフを護衛するのか？UEが作戦の意図に気付けば
アタッカーへ敵機が集中する危険がある。機体性能に頼った
戦い方しか出来ないフリットに護衛役は務まるのかという問題がある。
対してラーガンはタイタス登場回でバクト相手に時間稼ぎを成功させる
技量を持ったパイロットである。UE相手の立ち回りと駆引きに実績がある。
(初出撃では対爆ハッチでドジったが)
フリットはドッズライフルを扱ってガフランタイプを多数撃破した
実績と暗礁宙域でパニックに陥り敵集団に無策で突っ込んだ
経緯がある。
これを踏まえた場合、攻撃役には攻めしか出来ないフリット
が割り当てられたと考えられる。ラーガン中尉は自らの身を呈
して、アタッカーに迫る敵機を引きつけた…。
損な役回りを引き受ける男、影の功労者。
しかしこの作戦には欠点があった。アタッカー機は速かった。
ジェノアスが決して遅いわけではないが所詮はジェノアス。
その上に混戦状態になったためラーガン中尉はあっと言う間に
はぐれてしまった…。
だから彼は決して意味も無いスプレーガンを持って
出撃したわけではない。と、思う。
追記：あくまでUEが一方から攻める場合のみであり、包囲殲滅戦
となれば共闘軍は負ける。これを実行できなかったのは
UE側の余剰戦力の無さの表れともいえる。
追記：マッドーナはMS鍛冶屋としてAGE114年代に最高峰の技術を
持ってるとは言っても、専門はあくまでMS開発のカテゴリ。
武器はまた別のお話。ジェノアスを量産しているとはいえ
表向き民需方面だから軍の兵器を量産できる体制では無い。
しかも新兵器となると時間はかかる。Gエグゼスのライフル
はあくまで試作品の範疇。これから量産ラインの立ち上げとなる。
追記：共闘軍は直前まで対立した二大組織であり、トップが組んだことで
一時的に共同作戦を行う事になったが、配下の部隊はそれまでの
経緯から連携がスムーズに行えなかった。
さらにぶっつけ本番の大規模な宙域戦、友軍への不信感が重なり
部隊行動が満足に取れない状態に陥っている。
これに指揮官のドンボヤージ機が撃破されたことで士気が下がり
劇中のように総崩れの状況になる。
この後、戦死したと思われたドンボヤージの両軍兵士への
メッセージと行動を持って、戦線の立て直しに成功した模様。
それまで自身の部下しか関わりを持たなかったボヤージが
オープンチャンネル回線を介したとは言え、敵対していた
派閥の兵士に共闘を訴えた事は非常に意義があった事と思われる。
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