グルーデックが反逆に至った理由と、その目的

反逆しなきゃAGEのお話が終わってしまう。という制作側の
事情は横に置いておき。8話くらいまで見た状態で
AGE世界のグルーデック視点で見ると恐らく以下の
理由で反逆に至ったと思われる。

【後の無い状態】
 連邦軍の立場を利用してUEへの復讐を望んだもののそれも
 叶わず。ノーラ崩壊の一件で責任問題が発生しており
 今の地位を失う所か、腐敗した連邦軍ではスケープゴート
 にされる事を恐れていたと思われる。
 
 地位を失うのも時間の問題、そのため彼は意を決して
 ノーラ防衛戦以降に独自行動へ出たと思われる。

【復讐の決意】
  彼はUEへの復讐を考え、軍隊へ志願したと思われるが
  この時、もっともそれが実現可能な場所、ポストを
  探したと思われる。

【その手段】
  それがUE対策に関心を持ち、他の連邦士官より
  聡明で誠実なブルーザー司令が担当する
  アリンストン基地だったと思われる。
  この時彼がどのようにして副司令の地位にまで
  上り詰めたかは本編で語られていない。

  当時は再軍備のため各コロニーで基地が建設され
  駐留部隊を統括する上級士官の育成と拡充が急務と
  なっていた頃と思われる。なので士官学校へ社会人枠?で
  入学し時間を掛けて上級職に潜り込んだのかもしれない。
  (もしくはお得意のハッキングによる経歴詐称?)

連邦政府の調査】
  エンジェルを崩壊に追い込んだ武装組織はMSを有する大がかりな
  ものであったため、連邦が管理下に収めるコロニーはこれを匿って
  いないか調査が開始される。しかしUEの痕跡を見出す事は出来なかった。
  私設軍隊を用意・維持するとなるとそうそう隠せるものではない。
  事件当時の全コロニーの船舶(積荷)の動きが調査されても、不審船が
  見つかる事は無かった。この結果、武装集団はコロニーを拠点と
  しないと結論付けられた。
  ※地球の扱いが不明の為、ここでは省く

  そうなった場合、残された可能性は大戦時代に放棄されたコロニー
  や軍事要塞、デブリが漂う暗礁宙域等になるが、数が多い上に軌道が
  未確認のため、安全に接触するには時間が掛り調査は難航する。
  また連邦の管理下にない宙域での調査は危険が伴うため、目下
  再建中の宇宙軍登場が待たれることになる。

【立ちはだかる宇宙軍の動員力】
  宇宙艦隊を組織しても、この調査対象宙域をローラー作戦
  しらみつぶしにしない限りUEが拠点を転々と移していた
  場合は取り逃す事になる。また発見した場合は取り逃さないよう
  直ちにこれを叩く必要がある。この条件を実行するだけの大規模な宇宙軍
  の組織と動員能力は、コロニー駐留部隊の増強も重なっているため
  連邦の国力ではただちに用意出来なかった。

  そのため調査は実行に移される事は無く、当面は監視に留められる。
  (対してUEの母艦はステルス艦であったため、この監視網をすり抜けていた)

【グルーデック独自の調査】
  彼はノーラ崩壊の時に副司令の地位を得ることまでは
  成功していた。この間、UE対策本部の成果が一向に出ない
  事から士官の立場を利用してUEに関する情報を集め
  独自に本拠地を割り出そうと試みていた。正規の仕事で
  連邦軍本部へ出向く事もあり組織内で彼は腐敗を身を
  もって知る事になる。
  UE拠点調査に関するレポートを知るのは時間の問題で
  あり、これを元に拠点候補を絞る事になる。

連邦政府の方針転換】
  再軍備を決定し、常備軍の体裁を整えていた政府は
  UEの再襲撃が予想以上に少ない事から軍に抑止力ありと
  判断する。そのためこれ以上莫大な国費を投じて軍備
  増強を行うのは不要と判断し、防衛方針が拡大から現状
  維持に変わる。これにより宇宙艦隊の増強も止まり、これを
  必要とする調査宙域に対するローラー作戦も実行不能に陥る。
  ※この辺は前に書いたジェノアスの項目と同様

【グルーデックの提案】
  ノーラ襲撃前の時点で、UE出没地点から大まかな当たりを出していた
  が、これを正式な手続きに則って連邦軍本部へ調査の打診を行ったものの。
  本部の判断は「コロニーの安全を確保出来ている状態で、確証も無いのに
  わざわざ戦闘を誘発する行動は得策ではない」といった感じで、一蹴され
  たと思われる。
  またグルーデックが対UE強硬派として動くほど、連邦軍本部から
  現状維持を望む組織を乱す存在としてマークされる事になる。
  こういった経緯があった事から彼は連邦軍を当てにできなかったと思われる。

【反逆罪の選択】
  ノーラ崩壊当日。全住民の脱出作戦を遂行するため、連邦軍本部
  直属の戦艦ディーヴァに協力を要請するも、艦長ディアン大佐は
  これを拒否。目の前にいる連邦国民を見殺しにし、軍の艦艇を
  守ろうとする大佐を見て。彼はついに自国民を守らず、己の
  保身に邁進する者達が巣食う連邦軍を見限る事になる。

  住民を助けるためとはいえ、戦艦を奪取した時点で連邦軍への
  反逆は成立してしまう。さらにコロニーの防衛にも失敗しており
  副司令としての責任問題が待っている。

  救助成功後、憲兵に捕まる前に彼は以前調べたUE拠点候補を
  実際に調査しようとした。もしUE拠点があるなら、この事実
  は連邦軍本部を動かす”確証”になるからだ。
  小規模戦力で出来る事はたかが知れている。14年も後手に回り続けた
  手強い敵だ。決して一筋縄でいかない事も承知だ。彼は連邦宇宙軍が
  出動するしかない状況、そこに至る最初のきっかけを作ろうとしている。

  それが「罪なら償うつもりだ。お互い、生き残っていたらな」という言葉の
  真相だったのかもしれない。

【その後】
  拠点予測は、4話のUE母艦目撃情報を元により精度が上がる。
  この情報が無くても既に絞っていた候補地点を探すつもりであり、
  ダメならあとは投降するつもりだったと思われる。
  とくにここで得られた母艦の推定サイズは貴重であり、この
  巨大艦艇の隠れ家が廃棄された軍事要塞くらいしかないと
  推測されたと思われる。

  ※大型艦船用のドックや補給設備などは限られた場所にしかない

【おわり】
  どうすれば本編のような結果に行き着くか?で考えてみたが
  せめてグルーデックの作戦立案書が軍高官に投げ捨てられる
  1シーンでもあればよかったんだろうけどね。今のままじゃ
  ちょっと描写不足と思う。