地球連邦の国家規模について考える

AGE世界の地球連邦は実態があまり描写されなかった。そのため
どの程度の規模かよく分らない所だ。とりあえずアニメ版や追憶
のシドを元に推測すると、地球連邦は版図こそ大きいものの、それ
に見合うほどの人口はいないのかもしれない。これは旧国家戦争や
火星移民による人口減少が原因だと思われる。旧時代に比べると
コロニーの数が減っている様子だし、経済活動等の生活圏の主軸
は地球本土へゆり戻しが起きているのだろうか。

アニメ 外伝漫画
エンジェル 名称不明x1(攻撃を受け崩壊)
オーヴァン
ノーラ
トルディア
ファーデーン
ミンスリー(中立地帯だがここに含む)
ソロンシティ
ノートラム
月の近くの名称不明コロニーx1
その他(推定四以上?)

アニメと外伝で登場したコロニーは合計十基となる。ここに表の一番下に
ある「その他」をどう加えるかが問題となる。これはフリット編で存在が
示唆された旧国家派閥の艦隊が駐留するコロニーだ。アンバット攻略に
向けてラクトが他のコロニーいる艦隊を引き連れて合流すると言ってる。
正規軍に属さない艦隊となると、当然これは旧国家派閥が支配する所だろう。

またここで実際に合流したのはエウバ・ザラムからそれぞれ二隻だった。
これが彼らの全戦力かどうかは怪しい。コロニーの防衛もあるため全ての
艦隊を投入するという事は無いと考えるのが妥当だろう。またグルーデック
がフォルダーEZ7との取引で要求した戦艦は四隻だった。彼があてもなく
そんな事を言うはずが無く、事前にザラムの保有戦力を調べた上での発言
だろう。

劇中描写から推測する限り、ザラムだけで戦艦を四隻以上保有しているのは
間違いないだろう。この艦船数がどうコロニーの数に関係するかと言えば
宇宙港の規格が絡んでくる。AGE世界のコロニーは共通規格で造られたドッキ
ングポートが登場する。ここに係留できる船の数は限度があるので、自ずと
コロニーの数にも影響してくる。仮に保有数が八隻なら最低でも二つのコロニー
に分散する。これでザラム側のコロニーは二基と仮定が出来る。そして対立する
エウバも対抗するために同数を揃えるだろう。そのためこちらも二基は必要になる。
このように推測すると旧国家派閥の支配するコロニーが最低でも四基存在したと
考えることが出来る。もっとも宇宙港は五隻しか係留できないので、一般船舶
の分を考慮すればより多くのコロニーへ分散するものと思われる。

とりあえずこの旧国家派閥の艦隊がいたコロニーを四基と仮決めし、地球圏に
十四基のコロニーが存在するとしよう。一基辺りの人口はどれくらいだろうか?
劇中ではとくに明示されていないので掴みどころが無い。小説版では五百万人
という記述が登場するので、暫定的にこれを当てはめてみると宇宙には約七千万
人が住んでいるという計算になる。二倍でも二分の一でも余り多いという印象は
無い。どちらかと言えば少ないと思えるし、これは劇中描写とあまり差が無い。

当然地球本土に住む人々もいるわけだが、連邦の首都が地上にあることから
国家の中心は当然地球という事になるだろう。無論そうなれば人口もかなり
多いはずだ。自然保護や環境復興などにより居住制限が無い限りは、宇宙と
同等かそれ以上の人々が住んでいるだろう。地上も七千万程度とすれば、地
球圏の総人口は約一億四千万人という事になる。地上が二倍でも二億一千万
人程度。これはかなり少ない。

日本の総人口(2011年)は一億二千万程度あり、米国は2010年の段階で三億八百
万人ほどである。世界人口で七十億と言われる時代であるから、AGE世界の人口
規模は非常に小さい。

これに絡んだ話としては連邦軍の組織規模がある。追憶のシドに登場する第七
艦隊の総数は約十隻であり、これを一個艦隊の定数と見るなら地球圏の宇宙艦隊
は最低でも約八十隻ほど存在すると考えられる。当然これ以外にもビッグリング
所属艦隊が存在するので、全体の総数は百隻近くはあるだろう。
(地上軍にも戦艦が配備されているようだが、アクト3の例を見ると地方基地に
 戦艦はいない模様)

総人口や活動圏の規模を踏まえると、連邦宇宙軍の規模はやや小さいようにも
思える。しかしこれ以外にも地球本土の防衛を担う地上軍もいる以上、限られた
国力ではこれが限界なのだろう。

とまあ色々考えたが具体的な事ははっきりしない。しかし一ついえる事は
地球連邦の人口はあまり多くないだろうということだ。

 ※なおヴェイガンは火星移民時に十六基のコロニーを建造している。
  数こそ連邦側に匹敵するが、このタイプはテラフォーミングなどを
  考慮して大規模な工場ブロックが併設されているようだ。そのため
  一基辺りの収容人数は少ないだろう。
 ※ヴェイガン側の総人口は連邦の半分以下、せいぜい三分の一程度
  かもしれない。
 ※連邦軍の軍需、兵站はノートラムに集約して賄える程度の規模
  らしい。ノートラムの生産能力次第だが、コロニー一基で供給を
  満たせる程度なら宇宙軍の規模はそれほど大きくないのだろう。
 ※ラ・グラミス戦に集結した連邦軍は個人的な推測で約二十隻程度
  であった。上記での考察や、劇中での戦局を考慮すればさほど
  違和感は無い。各コロニーの防衛や地球への戦力派遣。それらを
  行ったうえでかき集めた最後の戦力だった。というのはまあまあ
  納得の出来る話だ。
 ※宇宙港に係留できる数は少ない。そのためビッグリングには多数
  の宇宙港が用意されている。各艦隊の母港がどこなのかは不明だが、
  一般のコロニーに長く留まる事は難しい。そのため各艦隊の活動
  拠点として宇宙要塞のようなものが各所に建設されていた可能性
  がある。

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