なぜフリットはラーガンにビームサーベルを貸さなかったか

フリット編の大きな疑問】
 ラーガンの搭乗機ジェノアスといえば
 役に立たないビームスプレーガン
 ヒートスティックしか装備しておらず、
 UE(ヴェイガン)相手に戦うのは自殺行為
 に等しかった。

 そんな中、唯一攻撃が通じる武器があった。
 ガンダムAGE1の固定武装ビームサーベルだ。
 劇中描写を見るとミンスリーの戦闘でサーベル
 を投擲して使い捨てたのにアンバット戦では
 しっかり補充されていた。

 この描写からサーベルは本体にマウントされた
 二本以外にも予備があるのは確かだ。なら
 それをラーガンに貸してあげてよとも思う。
 しかし現実は甘くなかったのだろう…。
 ※なんたって損な役回りが運命付けられた
  男だし

【試作機と量産機の壁】
 ガンダムAGE1は地方軍が独自に開発した
 データ収集実験機としての意味合いが強い。

 特徴的なウェアシステムからも明らかだが
 ガンダムで得た成果は即日配達でジェノア
 に反映出来るよう考慮されていなかった。

 ※AGE1開発プロジェクトの過程において
  専門技術者の育成や軍事技術、軍用
  MSの開発ノウハウから新兵装までを
  一挙に得ようと言う非常に野心的
  ものだったと考えられる。

  ジェノアスの次を見据えた計画のように
  見えるので、互換性は低いのかも

 問題のサーベルは連邦軍の標準装備では
 なく、最初期は出力を絞ったダガー状態
 であり、高出力のサーベル状態は暫く
 後となる。

 注目すべき点はここなのかもしれない。
 ガンダムに装備されたビームサーベル
 あくまで過去の武器を現存技術で復元した
 試作品であり、運用面で問題を抱えていた
 と考えられる。

 この装備で問題になるのはエネルギー供給
 関係とビームの収束・固定化だ。前者は
 投擲可能なことからある程度は問題ない
 ようだ。

 なら切り札として予備サーベルの一本くらい
 ラーガンに貸してあげてもいいはずだ。
 それが駄目だったわけだから、恐らく後者
 で問題があったと思う。

 ビーム粒子制御技術はタイタスを参考に
 すればガンダム本体で制御してた。
 これと同じくビームサーベルも柄の部分
 に制御システム(ハード・ソフト)が完全に
 パッケージ化されておらず、機体本体の
 コンピュータで遠隔制御されていたのでは
 ないだろうか?

 これだとガンダムに搭載された専用機材
 (コンピュータや制御ソフト)が無い限り
 ビームサーベルを他のMSで適切に扱うのは
 不可能という流れになる。

 またこの理由なら、専門技術を取得した
 パイロットのみが乗れる理由になるので
 ラーガンがガンダムに乗れない事も納得が
 いく。操縦以外にも未完成なシステムの
 運用を要求されるなら、ここは開発者が
 乗り込むのもあり得るだろう

【ドッズライフルの運用について】
 これもビームサーベルと同じ理由で補完
 は可能になる。引き金を引けば発砲は出来る
 が、ドッズ効果に関する特殊なビーム粒子
 制御をガンダム本体に依存しているなら、大規模
 改修をしない限りジェノアスでは実戦レベル
 で運用するのは不可能だったのかも。

【補足】
 第一話から三話までのノーラ編ではガンダム
 の運用がまだ完璧でないことは言及されている。
 ラーガンがバルガスに聞いたり、フリット
 初搭乗したシーン。他にもAGEビルダーを起動
 してドッズライフルを生成した時など、ぶっつけ
 本番と言っており、あれで結構綱渡りな状況
 だった。そのため不測の事態に対処できるよう
 MS操縦以外のスキルを習得したフリットにしか
 ガンダムとその装備は扱えなかったと思う。

【関連記事】
 第10話 激戦の日にラーガンは何をしていたのか?
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