長引く戦争の謎

【遅すぎた宣戦布告】
 天使の落日より実に63年後にして
 初めてヴェイガンが公式な形?で
 宣戦布告を行った。まさか今さら
 そんな事するとは思わなかった。

 視聴者からすればこの不可解な
 戦争、なにか理由はあるのだろうか?

 勝てないのは分かっていたが国民
 の不満を解消する為?それか限られた
 火星側の人口を減らすためにあえて
 負け戦に突き進んだ?

【複数要因が原因か】
 :A:
 イゼルカントは統治者としては
 優秀だったが、軍師としてはそれほど
 でもなかった。最初期の戦略方針で短期
 決戦を挑まなかった事から半世紀以上
 にも及ぶ戦争に発展してまう要因と
 なった。

 特にステルスフィールドとコロニー
 デストロイヤーなどを多用すればフリット
 編の地球連邦を打倒するのが容易いのは
 想像に難くない。

 中途半端に再軍備の機会を与えず
 戦力を蓄え、短期決戦で挑めば勝てた戦争だ。
 なにか無理な事情があったのか、それとも
 彼の大きな失策か。

 短期集中決戦より、内乱を煽り連邦の
 国力を弱体化したうえで攻め込むのが
 上策と判断したのだろうか?

 :B:
 火星圏は未だにマーズレイが発生する事が
 あり、その場合は特別シェルターに避難する
 必要がある。対マーズレイ用のシールド装置
 にコロニー内の全電力が消費されるため、
 軍需工場などは操業停止を余儀なくされる。
 (無人操業は磁気嵐のため不可能)

 例えばヴェイガンが生産活動に従事できる
 のはマーズレイが発生しない年間150日
 程度ならかなり連邦との生産力に開きが
 出る。もともと総人口比も開きがあるはず
 なのでこの活動日数の差は大きな足枷と
 なる。

 :C:
 イゼルカントとしてはアセム編で戦争に勝利
 できる算段だった。しかしこれは甘い見通しで
 あり、連邦側の抵抗で頓挫する事となる。
 そのため彼はキオ編に至るまで第二次侵攻軍
 の準備を行う。宣戦布告はアセム編の失敗を
 誤魔化すためのパフォーマンス?

【地球連邦側の事情】
 フリット編の段階でどれだけ内通が始まって
 いたのかは不明だが、UEの攻撃が余りに
 小規模な事、敵の根拠地が不明な事から
 攻める機会が無かった。

 内通者の存在、裏取引に関してはシグル
 ブレイドの製法やフォトンリングレイの
 情報が流されたようだ。

 ここで気になるのはフリット編の最終決戦
 場となった宇宙要塞アンバットだ。
 老朽化により廃棄されたと言われているが
 本編内の説明で言われる「連邦軍」とは
 いつの時代の組織だろうか?銀の杯条約
 締結当時ならごく自然だ。もしこれが
 AG101年以降に復活した連邦軍だと
 すると急に違和感が出る事になる。

 UE襲来に伴い、要塞として復旧させた
 が数年もしないうちに老朽化を理由に
 廃棄したという事になる。
 天使の落日以降に極秘会談が行われた
 結果、何らかの見返りと引き換えに
 要塞がヴェイガン側に売られたように
 も受け取れる。その見返りがコロニー
 デストロイヤーの不使用?
 (UEは優位な立場なので使う時は使う)

 他にも政府内の内通者により強硬路線
 は抑えられており、戦局はヴェイガン
 側に優位だった。

 しかしフリット司令によるクーデター
 で強硬派が主導権を握ることで戦争は
 激化する方向になったと思われる。

 また粛正委員会などの強硬・独裁的
 行動に反発する人々がいるのはごく
 自然であり、連邦内の騒乱が長引き
 ヴェイガンとの戦争に注力できなかった
 と思われる。

 このため戦争に終止符を打つ事が
 出来なかった。

【関連記事】
 フリット編とアセム編の間あたりについて
 http://d.hatena.ne.jp/UN64_RGB/20120201/1328108777

 アセム編でイゼルカントは何をしていたのか
 http://d.hatena.ne.jp/UN64_RGB/20120422/1335077538

 この戦争に終わりはあるのか、その先は?
 http://d.hatena.ne.jp/UN64_RGB/20120508/1336485529